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地域で教わったこと

更新日:2024年3月7日

 私が高山市職員時代に初めて管理職になって就いたのが久々野支所の地域振興課長でした。久々野ではリンゴや桃といった果物の栽培が盛んで、草刈作業の後に口にした完熟した桃の甘に感動したことを覚えています。久々野では果物を使った人気の産品が沢山あり、中でも地元のおばちゃんグループが作って道の駅で売っている「まるごとアップルパイ」は時期になると今でも行列ができるほどです。

 初めて地域振興課長になったということで、まるごとアップルパイを基軸にして地域産品のブランド化を強化して地域振興につなげたいという思いがあり、おばちゃんたちにネットで販売したらどうかとか、パッケージを改良したらどうかとか意気込んで話したことがありました。

 そんなある日、アップルパイを作っておられる現場を訪問した時「今日は本当に楽しいな」「明日も皆で会えるといいな」というおばちゃんたちの何気ない会話を耳にしました。

 その後、ある方に地域振興って何なのか聞いてみたことがあります。その方は「まず君が久々野に住むこと」だと。それは冗談半分だったのですが、続けて言われたのが「住んでいる場所で、生業ができること、生活ができることだよ」と。それを聞いたとき、アップルパイのおばちゃんたちの会話が蘇ってきました。

 そして、役所がブランド化だとか、地域のためと思って行っていることが、地域の人たちの暮らしに繋がってつながっているのかしっかり思いを馳せることの大切さに気づいたのです。地域振興は大上段に構えて行うものではなく、住む人の充実した日々や小さな幸せを支えることを基本に行うことだと久々野のおばちゃんに教えてもらいました。






 
 

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