高山赤十字病院、久美愛厚生病院、高山市で連携協定結びました
- 田中あきら
- 2023年8月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年8月20日
これまで、医師をはじめとした医療人材の確保や、今後の医療や介護需要への対応について、中核病院である高山日赤、久美愛に両病院の連携は不可欠であることから、岐阜県も含めた様々な会議等において、関係機関での議論を重ねてきました。
また、循環器内科、小児科、放射線科、産婦人科で医師の不足が生じた際には、県と市が調整の役割を果たしながら、両病院が連携して対応してきました。
高山市と両病院は既に合同で、大学からの学生の実習の受入れや、合同説明会への出展等の取り組みをすすめています。
これらの取組みをさらに拡充していくにあたり、両病院との連携がさらに重要であり、高山市も含めた3者が協定を結んで連携を深めることに、両病院にも合意いただいたことから竹中院長(日赤)、山本病院長(久美愛)にご出席をいただき、また高山市医師会、高山歯科医師会、高山市薬剤師会を代表して高山市医師会の加藤会長にお立合いいただき、締結式を開催しました。
協定は、3者が協力・連携することで、高山市は当然ですが、飛騨医療圏の医療体制を安定的に維持することを目的に、
・医療人材の確保、育成、交流
・地域の保健・医療の充実
・地域の医療課題の解決などに連携・協力して取り組むものです。
ポイントは
一つ目は「医療を志すなら一度は飛騨高山へ」と思っていただけるような地域となるように、3者が地元の医療(介護)等の関連機関や大学と協力していく。「行政と地元の医療機関がともに連携して、確実に人材を育成していく」ということです。
地域の医療人材不足や未来へ投資という点で、行政も入って、地域全体で必要な人材を育成し、確保する。また、そこに、大学にも協力を願い、連携して取り組みを進めることで「地域における臨床・教育・研究を行う場の共創」につなげていくというところは、これまでには、あまりなかった(全国的にもあまり踏み込んでいない)取り組みとなるかと考えています。
二つ目は、「地域格差による医療格差をなくす」ということです。私はこの地域に住んでいるからみすみす失われてしまう健康や命があってはならないと考えています。
日本一広い市域をもち、かつ、大学病院等高度医療機関とのアクセスに課題がある飛騨高山において、遠隔地に住んでいても必要で適切な医療が受けられるよう、オンライン診療機能を有した移動診療車の活用やIT活用による遠隔医療技術の導入など、医療DX化の取り組みを進める中において、両病院や大学と連携して医療を提供するための取り組みを力強く進めていきたいと考えております。
三つ目は、私として今回の提携で最も重いものであると考えていることです。それは、高山赤十字病院、久美愛厚生病院、高山市が、提携にあたって、これまで私が述べた内容を含めて、今、性根を据えてしっかりと医療をとりまく課題に向かい合わなければ、これからの飛騨高山、飛騨圏域の医療は成り立って行かないという危機感と、それに立ち向かう熱い思いを共有しているということです。期せずして、竹中院長(日赤)、山本病院長(久美愛)と私は同学年でもあり、これまで複数回協議をして来ました。
両病院と高山市が連携協定を締結できたことは、飛騨圏域の医療の歴史に残る記念すべきことであり、大きくて、重要な1歩を踏み出せたものと実感し、胸が熱くなるのを覚えます。改めて、両病院の皆様の深いご理解に心より感謝申し上げます。
最終的には、米国の田舎(地方)で、小さなクリニックから患者第一主義を掲げ、医療人材の育成に積極的に取り組むことで、世界有数の医療機関、教育機関と評価されている「メイヨークリニック」を目標として、この「飛騨高山」で、日本における地方型メイヨークリニックの実現を目指します。
高山市がこうした取り組みを実施し、今後、飛騨地域の医療を充実させるために飛騨市、下呂市、白川村、高山市が連携をすることについて市長村長の皆さんとは同じ意識を共有しています。
これからは熱い思いを3者で高く掲げて、住民の皆さまのために、夢のある施策を積極的に展開してまいります。
